浪越徳治郎が指圧の創始者であるならば、「日本の指圧」から「世界のSHIATSU」へと最大の貢献と功績を残したのは浪越徳治郎の長男、浪越徹である。オックスフォード イングリッシュディクショナリーに日本の医学用語として唯一、「SHIATSU」と掲載されていることを何よりも誇りに思い、実直に指圧道一筋に生きぬいた人生であった。スポーツにおいても、ファイティング原田という門外不出の天才ボクサーの指圧トレーナーとして世界フライ級と世界バンタム級チャンピオンの2階級制覇の偉業に貢献したことも、指圧人生における最大の喜びであった。過去に父、徳治郎がモハメッド・アリを指圧し、徹がジョージ・フォアマンの指圧をしたことによるザイールでの世界ヘビー級タイトル戦は最大の指圧親子対決番外編として知られている。美容指圧に関しても世界の美容学校にてエステティシャンに指圧指導を行った先駆者でもあり、医療としての基本指圧のみならず、応用指圧、応病指圧の研究と技術は正統な浪越指圧として三代目孝に受け継がれている。 |