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指圧は浪越徳治郎により大正14年に創始され、現代まで広がってきました。
指圧の基本点は生理学的、解剖学的に体系づけられた活力を促すバイタルポイントであり、疾病の予防と治療を目的として身体の表面に定められた指圧点を手指のみによって押圧することで、ゆるやかに気持ちよく筋肉に浸透し、神経、血管、リンパ、ホルモンに作用すると60兆の細胞が活性化され、筋組織の活力が促され骨格筋が柔軟になり、内臓の機能も活発化されるのです。
人間の身体に備わっている自然治癒力の働きを最大限にひきだすのが指圧の目的です。予防医学の観点からも定期的に指圧を受けることにより、免疫力を向上させることが大切なのです。
人体の各器官の働きをオーケストラの演奏にたとえるならば、演奏を調和させるには指揮者が必要です。その指揮が指圧操作であり健康というシンフォニーを奏でることができるのです。
浪越徳治郎の基本理念である「母ごころ」とは?、すなわち母親が自分の子供に対して持つ無限の愛情のように、指圧を受けられる患者さんに対しても、「その方の母親であればどのように考え、接するか」という思いやりの気持ちで指圧を施術します。
これが「浪越指圧」なのです。 |
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テレビ番組内で、浪越指圧の解説とリポーターの方への施術を行いました。 |
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サーモグラフィーで確認した結果、施術前と施術後とでは明らかに違いが現れました。 |
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●浪越指圧の常識
浪越指圧は肘や膝などの鋭利な部位は決して使いません。手指のみを用いて、施術面に対し垂直に圧を加えて押圧します。手指の指紋部には知覚神経終末小体が集中し、感覚受容器として触覚、圧覚、冷覚、温覚、痛覚を敏感に感じとれる部位です。これらのことから、手指のみを施術に用いることは、科学的理論から見て最も適しているといえるのです。
●サーモグラフィ概説
皮膚が放射する熱(赤外線)を検知し、その分布する温度を画像化(ビジュアル化)するのが、サーモグラフィ装置です。皮膚温決定に最も重要な因子は皮膚血流量です。その増大(画像で赤くなった部位)は交感神経(アドレナリン作動性血管収縮神経)の鎮静による、皮膚血管平滑筋の弛緩拡張によります。
●体温概説
体温は、深部体温と皮膚温に分類できます。深部体温は視床下部体温調節中枢を頂点とする各種産熱放熱機構により約1℃以内に固定されています。
皮膚温は、深部体温恒常性維持機構のひとつとして、高温時は放熱促進として上昇し、低温時は、放熱抑制として下降します。つまり、皮膚温の上昇は深部体温の上昇(全身発熱症状あるいは、局所発熱症状)を示します。
深層筋の慢性筋膜炎では、局所深部体温の上昇となります。
●指圧による皮膚温上昇現象についての分析
まず神経系から見ると、過緊張した骨格筋部位を正確に把握し重点的指圧を行うことができれば、骨格筋に分布するA繊維は機械的圧迫によりそのインパルスは低下する傾向にあるので結果として、患部骨格筋は弛緩します。生理学的に所属交感神経は、上述運動神経と連動するので、皮膚血管平滑筋も弛緩拡張し皮膚温は上昇すると考えられます。
つぎに血管系から見ると、身体のこりとは、骨格筋弛緩機能低下に伴う慢性筋膜炎と、とらえることができます。一般に炎症患部は循環障害をおこします。筋膜は容積が一定であるので、急性期は充血により、慢性期は鬱血腫脹により内圧亢進症状となります。患部を的確にとらえた指圧を行うことができれば、その押圧操作により乳酸やCO2等が高濃度な筋膜内の血液を押し出す(ベンチュリー効果)ことができます。その結果、循環障害は回復に向かい、皮膚血管も含めた周囲血管へ血液は誘導されるので、皮膚温は上昇すると考えられます。 |
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指圧治療前
(安静時皮膚温画像) |
指圧治療後
(負荷時皮膚温画像) |
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空手家/市原海樹 選手
北斗旗空手選手権大会
90、93年 無差別級優勝 |
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レスラー/高橋 誠 選手
91年 全日本社会人レスリング57kg 3位
96年 全日本SAW軽量級優勝 |
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レスラー/鶴巻伸洋 選手
96年 全日本SAW無差別級優勝
96年 全日本SAW重量級優勝 |
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※医療用サーモグラフィ装置(富士通インフラアイ1200)による指圧負荷検査 |
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●測定条件
医療用サーモグラフィ装置を使用し、室内は恒温(22℃)恒湿無風状態、撮影部位は露出状態で60分間の全身基本指圧を行いました。
●測定結果
3名共に、著しい皮膚温度の上昇が見られました(平均1.8℃)。これは生理学的に皮膚血管平滑筋の弛緩、拡張による皮膚充血放熱現象であり、効果としては、下記のものが挙げられます。
《効果》
体温(深部)の上昇作用・自律神経の安定作用・骨格筋の弛緩作用・鎮痛、鎮静作用・深層筋循環障害の誘導作用 |
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